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ベートーヴェン『悲愴』

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日本人がピアノと仲良くなるために遺しておきたい言の葉
  

 

[第1章] 楽器の機能的奏法について
 

遺言その23 
片手で二つ以上のメロディを弾く際、
内声部を出したければ“指の根本を下げて引っ張る”     

 

<ポリフォニー―多声音楽―>と呼ばれる音楽、
つまりメロディとメロディが重なって書かれている曲の方が、

メロディと伴奏で出来ている
<ホモフォニー―旋律音楽―>より高度であると
一般に考えられる理由は一つ。
  

仮に左右の手で1本ずつメロディを
<ポリフォニック>に弾いている場合、
どちらかのメロディだけを弾いても
作品として成り立ちうるのに対して、

<ホモフォニー>で、
通常は左手が受け持つ機会が多い
伴奏部だけを弾いても、どういう音楽だか分からないため。
  

要するに<ポリフォニー>では、
両手とも主役となる訳。
  
  
弾くメロディの数が、
3あるいは4声と増えていけば、
演奏は困難を極めていく。
  

管楽器だったら、
3人か4人いなければ絶対に不可能な演奏を、
ピアニストは一人でこなす必要があり、
他の鍵盤楽器奏者も含めて、
宿命とも言えるし、また醍醐味とも豪語できる。
  

指を早く動かすことより、
それとは又ちがった難しさが
<ポリフォニック>な作品にはあり、

なにより「練習する過程も、音楽的とは言えない」
と漏らしたくなるのが本音であろう。

両手に色の違う旗を持ち、
「赤あげて。白あげて。赤さげないで白さげない」

みたいな動作が、
それこそ10本の指に求められるのだから。
  

冗談ではあるが、両手に指が6本はえているとしても、
もう1本ずつにまで気を使うのは、さぞ大変だと思う。

  
<ポリフォニー>のうち、もっとも完成された形式が、
<フーガ>であるものの、
ただ主題だけを執拗に強く弾いても、曲にならない。

どういう音楽的内容を持っているかを示すため、
主題に付けられる対位句の捉え方が、まずは重要。

詳述するのは第3章に譲るとして、
考えを突き進めていけば、
どの声部も“よく歌う”よう心がけ、
他のメロディとかみ合わせて行くのが定石である、
前にも書いたとおり、どのメロディも主役なのだから。

  

実際、バッハの時代に使われたチェンバロやオルガンでは、
細かい陰影をメロデイにつけるのは不可能であり、
だからと言ってピアノで弾く際、
すべての音をただ均等に揃えて弾いても、
歌っている事にはならない。

三者の表現方法には自ずと違いがある。
  
  
したがって、ここでいう内声部を出す際とは、
より<ホモフォニック>の主題に近いか、
あるいは副次的な旋律を効果的に鳴らす場合と言える。
   
 
具体例として、ベートーヴェン
『悲愴』ソナタ第1楽章の17~18小節目、
右手で奏するソファ♯ラや、第2楽章の24小節目、
同じく右手で奏する16分音符と、
次の小節に掛かるシ♭など。
  

無理に指の根本をさげなくても良いが、
極端な場合の例として、
教室の黒板を引っ掻くと、
何とも言えない耳をふさぎたくなるような不快音がする。

あの位の緊張感を手に持たせる必要がある。

  

なお外声部を出す場合は、遺言その7でも触れた
“斜め下の奥の方へ放る感じで鍵盤を下げる”
のをより意識する。

『悲愴』ソナタ第2楽章の3小節より八分音符で始まる、
右手の外声部、二つ目のミから第7小節の1拍目まで続く外声部など。

同じく遺言その7でも触れたとおり、
時として手は垂直に突き刺す感じへ近づく。
  

また第1小節から第3小節ひとつめのドまでの外声部は
ロングトーンとして扱い、次章で触れる<落とす>奏法を使う。

第8小節の外声部シ♭ラは言うまでもなく、
その前の第7小節2拍目、
スラーとスタカートが付いた16分音符も音に深みを与えるため、
あえて“落としながら”弾く。

 

 

 

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