※このブログは、大塚先生の公式ホームページ
「役に立つかも?講師あれこれ思案」
http://www.geocities.jp/piano_ricerca/new1.html
より、許可を得て、転載しています。
もっと早くたくさん見たい方は、併せてご覧ください♪
前:春日部のピアノ教室・あんぷらぐどオーナー・前田です。
大:あんぷらぐどピアノ講師&千葉市中央区で自宅ピアノ教室・
RICERCAピアノ教室を開校している大塚です。
前:ぼく自身が最近始めた大塚先生のピアノ・レッスン時に、
変な音も一緒になってる~~と思うくらいの音感です^^
では今日も!
せ~~の!
こどもたち:「大塚先生に聞いてみよぉ~~!」
大:「は~~~い♪」
30 決定的に違う〔音当て〕と〔聴音〕
音当てと、音大受験等で出てくる聴音との違いですが、
音当てというのは、前後のつながりが関係ありません。
つまり前章での音当てならば、
〔高いミ♭〕と答えても、〔高いレ♯〕はたまた
〔高いファの♭♭〕でも正解です。
一方聴音では〔高いミ♭〕が正解の場合、
〔高いレ♯〕〔高いファの♭♭〕は
不正解となりまた印象も非常に悪いです。
この子は何も感じず、何も考えず、
ただ鳴った音を順次に、
音楽のつながりとしてではなく、
断片としてして取っている。
という判断になります。
もし私が採点する立場なら、
空欄よりも点数を下げたいと思うほどです。
そもそも聴音では、
楽典 和声 音楽の進行方向 理論 響きを感じる、
もしくは考えているかを、
音を取ることで 調べる試験 ですから、
即物的に、音当てをする時点で
趣旨に反している事になります。
◆音取りと聴音がはっきり分かれる例題です
四分の三拍子 オール四分音符 8小節
聴音による正解
ドミソ ファソラ♭ ソラ〔ナチュラル〕シ ドドド
ドミソ レ♭ファラ♭ ソファレ〔ナチュラル〕 ドドド
音取りによる、下手すりゃ0点すらありうる不正解
ドミソ ファソソ♯ ソ〔ナチュラル〕ラシ ドドド
ドミソ ド♯ミ♯ソ♯ ソ〔ナチュラル〕ファレ ド〔ナチュラル〕ドド
上も下も、ピアノの鍵盤上ではまったく同じですが、
聴音試験で、譜面に下が書いてあったのなら、
悲惨な結果となります。
何故二小節目ソ♯ではないのか?
何故六小節目ド♯ミ♯ソ♯ではないのか?
答えられますか?
ここがとっても大事な、判断基準になります。
◆ミニ解説
二小節目がラ♭なのは、c-mollからの借用で、
モールドゥアー扱いでⅣの和音だから。
六小節目がレ♭ファラ♭なのは、
Ⅱの和音のかわりに、ナポリ和音を使用し
サブドミナント和音として使い、
次のドミナントのⅤに向かっているから
と、このように、出題する側は、何を感じているかを非常に、
重点をおいている問題が多いです。
逆に鍋の音がわかる程度で、満点が取れるような問題は、
受験聴音ではまず出てこない、と思ったほうが良いです。
ですから音当てよりも先に、
調関係 和声の動き 和音の種類 楽典
等をもうちょっと早いうちから、触れてもいいと思うのですが、、、
どういうわけか、食いつきの良い、
パッと見のインパクトが強いので、
絶対音感はもてはやされていますが、
絶対音感が無くて悩んでいる方は、
全然心配要らないと思います。
最後に余談ですが、絶対音感が使われだしたのは、
実は潜水艦のソナー音の敵味方の識別、、、、
音楽とは、違うところで使われだしたようです。
ですから無くても、あまり気にしなくて良いと思います
むしろ音取りよりも、聴音が出来るような、
知識入れのほうが大事かと。
ちなみに私は、絶対音感はありませんし、
鍋の音が取れない事で、困ったことは無いですw
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コメント
はじめまして。僕は、音楽を勉強している高校生です。
質問なのですが、2小節目のラ♭は、A-mollのトニックドミナントでAm7に解決しているからソ#とはとれないんでしょうか?
コメントありがとうございます。
大塚先生より回答です。
お役立てくださいね!
もしも2小節目をアーモールのソシャープ、で取った場合、
アーモールのソシャープはアーモールの導音(第七音)となり、
ラの主音に解決する必要が出できます。
ところが次の音がソナチュラルとなっておりますので、
機能和声上、アーモールのソシャープ導音が解決できず、
行き場がなくなってしまいますのでこの場合は、
同主調4からの借用と取らなければならないことになります。
また和音の進行としても、ミソシャープシからミソナチュラルシでは、
アーモルの5からツェードゥアの5と違う調のドミナントが連続してしまいます。
和音は同じ構成音でも、はたまた同じ音名表記だとしても取り方によって、
意味が変わってきます。
ただこと聴音の場合は、
今回のようにとり方で異名同音になるよう作り、
チェックすることが多いです。
たとえば、表記上全く同じドミソ、一つをとっても、
ハ長調の1でもとれるし、ヘ長調の5でもとれる、
ト長調の4でも取れてしまいます。
そこで大事なのは、次への和音がどうなっているかを、
考える事がとてもだいじになりますので、
今後のアドバイスとしましては、
もし和音が埋められたとして、
自分の当てはめた和音が、次の和音に受け渡せているか、
t sd d t や導音の動きを確認しながら、取っていくと、
今後の聴音に役立つと思います!
受験には避けて通れない聴音ですが、
今やっている勉強は何も聴音のためだけではなく、
自分の演奏にも、この和声付は必ず役に立ちますので、
(音楽の和声がどこに向かっているかで、
演奏の仕方も当然変わってきます)
頑張ってください。
あと一番大事なのは、音に出してみることです!
ファソラフラットソラシと弾いてみて、
アーモールに聞こえるかどうかもとても大事ですので、
必ず一度弾くこともおすすめします!
大塚考浩