Q.3 どうして、左右の手が別々に動くのですか?
A.
これも、前の質問と関連して、一般に、よく誤解されていることです。
禅問答であるでしょう、
「手を叩いたときに、どちらの手で鳴らしているのか」って。
ピアノも同じ気がします。
と言うより、そうでなければいけない。
フォークとナイフを使ったり、
茶碗を持ってお箸でご飯を口に運んだり、
紙を手で押さえて字を書いたりするように、
片手のみで何かをする機会って、意外に少ないのです。
“夫唱婦随”と言ったら変かも知れないものの、
利き手だけではなく、
必ず両手で動作のバランスを取っていると言えます。
オーケストラや室内楽、重唱やコーラスなどの場合を考えてみても、
すぐにわかる事ですが、誰も、周りの人と別々に弾いたり、
歌ったりしようとは夢にも思っていません。
むしろ「どうやって合わせようか」と考えるのが、当然でしょう。
ピアノなどの鍵盤楽器は、
要するに一人でアンサンブルを奏でているわけで、
どちらかの手で弾かれる(そう、お箸や鉛筆と違って、常に利き手とは限らないのです)メロディを、
もう片方が伴奏としてバックアップする場合もあれば、
両手でメロディを弾いて、かみ合わせる場合もあります。
音楽的な専門用語では、前者をホモフォニー(旋律音楽)、
後者をポリフォニー(多声音楽)と呼びます。
一般的には「後者の方が難しい」とされており、
二つの声はおろか、さらに多くの声を両手に振り分けて、
五声までの作品が書かれていたりもします。
いよいよ「どうして別々に?」と聞かれそうですが、
ひとつだけ助言できるとしたら、
「別々に動かそうと考えているうちは、別々に動かない」
と言うことです。
それこそ禅問答にもなりませんが、
何しろ、これって鍵盤楽器、最大の特徴ですからね。
他の楽器で考えてみてください。
パート譜を見て一人で練習しているうちは、
どんな曲だかわからない事だって、稀ではないのです。
ただ、だからこそ、弦楽器や管楽器に携わるプロは、
最初の合わせのとき、自分以外の音にも細心の注意を払っています。
とにかく、こちらは最初から、
「どんな曲か」が把握できるのですから、
前の質問の答えを振り返るまでもなく、
片手で弾き始めるなんて、本当にもったいない。
つまるところ、やはり究極は、ゆっくり弾いてみること。
先ずは目と、くわえて耳と頭が慣れて来れば、
それほど難しい曲でないのなら、
すぐに弾けるようになるし、
そのときには「どうして左右の手が別々に動くのだろう?」とは、
もはや考えていないのです。
Q1 指使いって、ぜったいに守らなければいけないのでしょうか?
Q.2 最初に曲を見るときは、片手ずつ、さらうべきでしょうか?
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学び屋あんぷらぐど:前田昌則
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